2023/02/03
ストレスチェックとは、労働者のメンタルの状況・ストレスの強弱を定期的な検査によって観察し、その結果を労働者本人に知らせる事を目的とした厚生労働省管轄の制度の事です。この制度の導入には、2つの効果が望まれています。まず1つは、個々の労働者のメンタル状況の把握によって不調・病気のリスクを低減させる効果が期待されています。同時に個々の診察によって得られたデータを集計・分析した上で、職場全体の環境改善に繋げる事も大きな目的となっています。
制度の実施は2015年12月1日の労働安全衛生法の一部改正に伴い、常時50人以上の労働者を雇用している事業所を対象として、義務付けをする形で実施に至っています。これに伴って厚生労働省では、労働者・事業者がストレスチェックに関連する相談を円滑に行えるように、相談窓口を設置しています。また産業医や保健師がチェックの実施する事から、その履行に伴う専門的な相談窓口も別に設置し、制度の円滑な運用に努めています。一方、義務付けは事業者に対して行われるので順次実施される一方、労働者側には用意されたストレスチェックの項目を受検する義務がありません。
結果が事業者側に知られる事もあり、場合によっては労働者側がチェックを躊躇う事が問題点として指摘されています。特に高ストレスの状態にある労働者が、それを知られる事による不利益処分(法律上はそうした扱いを避けるように配慮はされているが)を受ける事を懸念し、より状態をしっかり把握しなければならない対象者ほど受検を避ける可能性があるという点が、今後の大きな課題と見られています。